皇帝墓所(カプツィーナ墓所)
この墓所には1633年以来、皇帝家の人々149人の棺が納められ、永眠の地となっています。そのうち12人が皇帝、19人が皇妃および王妃です。ひときわ豪華な棺は、マリア・テレジアと夫君の皇帝フランツ・シュテファン・フォン・ロートリンゲンのためのもので、彫刻家バルタザール・フェルディナント・モルの代表作です。
彼らの棺と著しいコントラストを示すのは、息子であるヨーゼフII世の極めて質素な棺です。ここに納棺された最後の皇帝はフランツ・ヨーゼフI世です(1916年)。エリザベート皇妃とルドルフ皇太子の棺も、ここに納められています。墓所の管理をするのは、カプツィーナ教会の修道僧です。1654年から1878年までに世を去ったハプスブルク家の人々の心臓は、アウグスティーナ教会の心臓保管室に安置されています。
皇帝墓所への納棺は現代まで続いています。1989年には、オーストリア最後の皇后ツィタ皇妃の棺が納められました。更に2011年7月16日には、かつての皇太子であり政治家として活動したオットー・ハプスブルクが、レギーナ夫人とともに、ここに永眠の地を得ています。