シシィ博物館
ウィーンのシシィ博物館は、「シシィ」の愛称で知られる皇妃エリザベートが実際に暮らした空間の中で、俗説に頼ることなく、オーストリア・ハンガリー帝国に君臨した皇妃の生涯を正面から解き明かそうとするものです。展示はエリザベート皇妃の私生活に焦点を当てています。宮廷の儀式に対する反逆、狂気に近い美貌への執着、高度なスポーツ能力、数々の旅、自作の感傷的な詩などが彼女の多彩な側面です。バイエルン王国での屈託のない少女時代から、思いがけないオーストリア皇帝との婚約、そして1898年にジュネーブで暗殺されるまで、伝説的なエリザベート皇妃の波瀾に富む生涯をたどります。
すみずみまで楽しめる博物館
シシィ博物館には、皇妃エリザベートの数々の持ち物が展示されており、美しくありながらも誤解されがちであったその人物像に迫ることができます。300点を超える展示品の中には、実際に着用した衣類をはじめ、直筆の絵封筒などが入ったミニキャビネット、絵の具箱、63点セットの携帯用救急箱、実際に入ってみることのできる宮廷列車の復元車両などがあります。中でも結婚式前日の儀式で着用したドレスとハンガリー風の戴冠式のドレスのレプリカや、息子である皇太子ルドルフの死を悼み、弔うために身につけていたオニキスとジェットのアクセサリー6点セットのレプリカは見ものです。シシィが幼少時に奏でていたハープも展示されています。バイエルンの実家から持ってきたものです。
博物館では暗殺されたシシィのデスマスクのほか、ジュネーブのレマン湖畔で襲われた後、ホテル・ボー・リヴァージュまで運ばれたシシィの体を包んだ黒サギの羽根付きマントも見ることができます。マントの襟と縁取りには黒サギの羽根が付いており、絹の裏地には王冠と皇妃のモノグラムが刺繍されています。
ビデオ:オーストリア皇后エリザベート
帝国の軌跡をたどる
シシィ博物館の入場券で、同じくホーフブルク王宮内にある皇帝の居室と銀器コレクションも見学できます。もっといろいろ知りたい方にとっては、ハプスブルク家の歴史にも触れる絶好の機会です。シシィ博物館の近くにはカフェ・ホーフブルクがあり、おいしいひとときも楽しめます。
- 皇帝一家に関するウェブサイト: ハプスブルク家の世界
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- 映画の中のシシィ