皇帝家のヴァーゲンブルク（Wagenburg）には、王朝時代に宮廷で使われていた600以上の馬車の一部が展示されています。ハイライトは皇帝家の人々が使用していた豪華な馬車の数々です。中でも特に華麗なもののひとつは「インペリアル・コーチ」で、1735/40年頃に皇帝カールVI世のために制作されたと考えられています。同様に印象深いのは黒い霊柩馬車で、フランツ・ヨーゼフ皇帝の葬儀（1916年）のほか、エリザベート皇妃（1898年）、ツィタ皇妃（1989年）の葬儀にも使われました。

その他にも、式典用、子供用、スポーツ用、レジャー用、旅行用など多種多様な馬車が展示され、宮廷で着用されていた様々の衣装も見られます。さらに唯一保存されている1914年製の宮廷用自動車もあります。

シシィの面影を訪ねて

「シシィの小径」は、婚礼から悲劇的な死に至るまでエリザベート皇妃の後半生を、馬車や思い出の品々とともに辿るものです。展示されているのは、皇帝の花嫁として彼女が乗った馬車、子供たちの馬車、彼女が暗殺される直前に滞在先のジュネーブで乗っていた馬車などです。現存する唯一のシシィ愛用の横乗り鞍、豪華な黒いドレス、シシィの愛馬たちの肖像画なども見られます。

シシィとダイアナ妃

ヴァーゲンブルクの常設展示では、エリザベート皇妃とダイアナ妃の共通点を発見できます。2人とも広く人々から愛され、結婚生活では不幸でした。2人とも常にスポットライトを浴び続け、悲劇的な死を遂げました。シシィの生涯は、彼女の豪華なドレスの数々、馬車、乗馬用具のほか、これまで未公開だった皇妃の極めて個人的な愛用品などによって紹介されます。ビデオでは、シシィの生涯を通じて、ダイアナ妃との共通点が浮かび上がります。

おすすめ シシィ・コンビチケットを利用すれば、ヴァーゲンブルクとホーフブルク王宮の宮廷宝物館を見学することができます。

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インペリアル・スピード

ハプスブルク家でも、ハイスピードのカーレースは重要なテーマです。最新の展示品は芸術的に造形されたレーシングカー（フォーミュラ・ルノー1.6）で、フェルディナント・ハプスブルクの愛車です。カール・ハプスブルクとフランツェスカ・ハプスブルクを両親にもつ彼は、フォーミュラ1の未来を担う若手ドライバーとして嘱望されています。彼の「アート・カー」は、2台の歴史的なモデルと対置されています。ひとつは、1814年に皇帝フランツI世のため建造されたスポーツ馬車で、2頭の馬が牽引し時速16kmに達しました。カールI世の「皇帝自動車」は、ガソリンによる45馬力で5段変速、最高時速90kmでした。彼の曾孫にあたるフェルディナント・ハプスブルクの「アート・カー」は140馬力、時速230kmに達します。

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