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ウィーン特産ワイン:ゲミッシュターザッツ

「ゲミッシュター・ザッツ」というのは、様々な種類のブドウをミックスしたワインのことです。ただし、キュヴェの場合とは違い、すでにブドウ園で20種までの様々なブドウを一緒に栽培し、一緒にプレスして醗酵させるのです。当初は、様々なブドウの熟成度の違いや酸味の違いによって、不作に備え、均一の味を確保するのが目的でした。
ゲミッシュターザッツは数世紀にわたってウィーンのブドウ園で栽培、醸成されてきました。この伝統的なワインが、近年になって輝かしいルネッサンスを迎えています。

クリスト、エドルモーザー、ヴィーニンガー、コベンツル、マイヤー・アム・プファールプラッツ、フアガッスル=フーバーなど、意欲的なワイナリーがウィーンワイン・グループを結成、歴史的な特産ワインのリバイバルに大きな役割を果たしています。「ウィーンのゲミッシュターザッツ」は、ウィーンとその近郊でひとつの畑で少なくとも3種類のぶどうを栽培し醸造したもので、厳しい規格基準に適合する品質です。

「ニューヨークは、いわゆるメルティング・ポットとして知られています。そこから、極めてオープンなワインへのアプローチも可能となるのです。ここで供される多種多様なワインの中に、ニューヨーク人/アメリカ人は本物を求めています。本物とは、確たる個性と歴史的背景を有するワインのことです。ウィーンのゲミッシュターザッツは近年、アメリカのメディアで非常に高く評価され、その優れた品質によって愛好されています。」こう語るのは、ニューヨークの高級レストラン「ル・ベルナルダン」で働くチロル人アルド・ソームで、彼は2008年、世界最優秀ソムリエに選ばれています。

ウィーンのゲミッシュターザッツは、イタリアを本拠地として生物多様性を標榜するスローフード協会から「味の箱舟」に選出され、また希少価値のプレシディオ食品に認定されました。 これまで全世界でプレシディオに選ばれた食品は約300点、これらは全て、伝統的な手法で生産される貴重な食品で、農業の機械化や食品工業の波に呑まれて消え去ることなく、後代に伝えられるべきものと評価されています。ウィーン産の高級ワインは、オーストリアの5つの「プレシディオ製品」のひとつです。

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