ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート
毎年世界90カ国以上の何百万人もの人々がテレビ中継で楽しむこのコンサートを、現場でライブを聴きたいという方々は幸運が必要です。ウィーン・フィルのウエブサイトで申し込み、抽選に当たらなければならないからです。
魅惑のシュトラウス作品
ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートは音楽の精髄をお届けします。主にシュトラウス一家や同時代の作曲家による軽快で躍動的な曲目、時には瞑想的な作品は、新たな年への快いスタートとなります。ワルツからポルカまで、典型的なウィーンの調べが、最高レベルで演奏されるのです。
2023年の曲目
- エドゥアルト・シュトラウス:誰が一緒に踊るの?ポルカ シュネル、op.251
- ヨーゼフ・シュトラウス:英雄叙事詩ワルツ、op.87
- ヨハン・シュトラウスII:ジプシー男爵 - カドリール、op.422
- カール・ミヒャエル・ツィーナー:心地よい夜にワルツ、op.488
- ヨハン・シュトラウスII:明るくいこう!ポルカ シュネル、op.386
- フランツ・フォン・ズッペ:喜歌劇「イザベラ」序曲
- ヨーゼフ・シュトラウス:愛の真珠ワルツ、op.39
- ヨーゼフ・シュトラウス:アンジェリカ - ポルカポルカ・フランセーズ、op.123
- エドゥアルト・シュトラウス:さあ、逃げろ!ポルカ シュネル、op.73
- ヨーゼフ・シュトラウス:上機嫌ポルカ・フランセーズ、op.281
- ヨーゼフ・シュトラウス:いつまでも永遠にポルカ シュネル、op.193
- ヨーゼフ・シュトラウス:まひわワルツ、op.114
- ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世:バレエ「エクセルシオール」から、グロッケン・ポルカとギャロップ
- ヨーゼフ・シュトラウス:アレグロ・ファンタスティークオーケストラファンタジー、Anh.26b
- ヨーゼフ・シュトラウス:水彩画ワルツ、op.258
ウィーン万博の幕間映像
2023年1月1日、楽友協会のオーケストラと聴衆がニューイヤーコンサートの途中で休憩をとるときに、テレビ視聴者は特別な映像を見ることができました。今年のコンサート休憩時のためのORF(オーストリア放送協会)映像は、ウィーン万博150周年に捧げられたものでした。
ウィーン万博が開催され、帝都が国際的大都市になった1873年、フィルハーモニーはタイムトリップをします。日本の天皇からハワイの国王まで、全世界が当時、ウィーンに集まりました。ニューイヤーコンサートの指揮者フランツ・ウェルザー=メストが共演した楽友協会から始まり、伝説的なプラーター公園のロタンダなどの歴史的建造物が3Dアニメーションで蘇り、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本物のアンサンブル音楽のステージとなります。歴史的なプラーター公園の雰囲気が呼び起こされ、当時の万博会場をアニメーションのフライトで案内します。(デザイン:バーバラ・ヴァイセンベック、協力:ニコラス:ペッシェル)
調べるためのヒント:DVD「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサート2023」、幕間映画とバレエのシーンを収録(2023年1月27日発売)
オーストリアの音楽使節
演奏するウィーン・フィルは、世界最高のオーケストラのひとつです。もちろん、世界最高レベルの指揮者が登場します。オーケストラは毎年、違う人が指揮をします。客演指揮者は、マリス・ヤンソンス(2016)、グスターボ・ドゥダメル(2017)、リッカルド・ムーティ(2018と2021)、クリスティアン・ティーレマン(2019)、アンドリス・ネルソンス(2020)、ダニエル・バレンボイム(2022)、フランツ・ウェルザー=メスト(2023)です。2024年に立つのは、ドイツ出身のクリスティアン・ティーレマンです。ワーグナーを得意とし、2019年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートで指揮をしています。
少年合唱団と少女合唱団
ニューイヤーコンサート2023には、史上初めて、ウィーン少年合唱団とともに、ウィーン少女合唱団も参加しました。これは2004年に設立された伝統ある女性合唱グループで、2023年には創立525年を迎えます。少女合唱団と少年合唱団が、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とともにステージに立ち、ヨーゼフ・シュトラウスのポルカ「上機嫌」を歌いました。
踊りもあります
ニューイヤーコンサートのハイライトは、ウィーン国立バレエ団のトップクラスのダンスパフォーマンスです。2023年は、アシュリー・ペイジによるエレガントでユーモラスな振付により、バレエのパフォーマンスが3回(通常は2回)ありました。ワルツ「愛の真珠」(ヨーゼフ・シュトラウス)と美しく青きドナウ(ヨハン・シュトラウス)、ポルカ「さあ、逃げろ!」(エドゥアルト・シュトラウス)でした。衣装はエマ・リョートによるものでした。
クラシック音楽の殿堂にて
ニューイヤーコンサートの会場となる楽友協会は、ウィーンにおけるクラシック・ファンの殿堂です。黄金のホールとも呼ばれる大ホールは、世界で最も美しいホールのひとつであり、世界で最も音響の良いホールに数えられます。古代ギリシャを範とする歴史主義様式の楽友協会大ホールは、ニューイヤーコンサート当日、カラフルな花々で飾られます。列柱、カリアティード、切妻のレリーフなどは、ここが音楽の神殿であることを表現しています。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ニューイヤーコンサート
毎年1月1日に開催
開演:11時15分
生中継 テレビORF2およびラジオÖ1 世界90ヶ国以上で放送
プログラムほか詳細情報:www.wienerphilharmoniker.at